フォーフォース・カインド』

信じられないのは信じたくないからではなく、映画の作りが中途半端すぎるから. これなら矢追純一さんに好き勝手に映画を撮らせた方が断然面白いのでは? と思えるほど、見終わった後に何一つ残らない映画でした. まぁ眠くなるということはなかったのですが、ただ最初から最後まで全てにおいて中途半端な演出ばかりでしたね. FBIが過去2000回以上も訪れたというアラスカ州ノーム. ここはどうやら兵庫県西宮市近辺と同じくUFOが何度も目撃されている場所らしく、この映画はそんなノームで実際に2000年に起きた事件を実映像を交えて一本の映画に仕立てあげているのですが、これがまた「ちゃらんぽらん」のネタではないですが、「ちゅ~とはんぱやな~! 」なんですよ. まず実映像のアビゲイル・テイラー博士は顔色悪く痩せ細っているのに、彼女を演じるミラ・ジョボヴィチはふっくらで血色もよく、これミスキャスト? と思えるほど. あれならジュリアン・ムーアの方が雰囲気は似ていたと思うんですけどね. さらにテイラー博士の患者への催眠療法シーンも内容が胡散臭いとか言う以前に、セットや間合いがムチャクチャ. 例えば患者が座っているソファーの背景が実映像は窓なのに、再現映像は暖炉になっているんですよね. 配置が違うやん! また実映像の患者がゆっくりと間合いを置いて言葉を選ぶのに対して、再現映像の俳優は間合いを置かずにセリフを言ったりするなど、どれも演出が粗いこと. 液晶保護シート『OverLay Bril しかもこういうシーンに限って分割画面にしているため、その違いがリアルタイムで分かってしまうのがこれまた辛いところ. さらに中盤ではこの分割画面手法アイデアはやっぱり「24」からいただいてますか~と言わんばかりに4分割画面に. もうここまでくると実映像が実映像であるということさえ疑わしくなってしまいます. 要はこの映画が描きたいことが「信じられないことが実際に起きたそうですが、あなたはこれを信じますか? 」なのに、映画がその「実際に起きた」という部分を全て実映像だけに頼っているだけに、観客が一度でも「この実映像が実際の映像である証拠はどこにあるの? 」と疑問に思ったら、その時点で完全にアウトになってしまうんですよね. 特に上記にあるような適当な演出が妙に気になってしまった私のような方は、みなさんこの実映像の信憑性を疑われたのではないでしょうか? ですから映画の演出としては 『X-ファイル』 のように非科学的なことを描くと同時に対比として科学者を主人公クラスに用意するとか、もしくは 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』 のように実映像が作られた映像か分からないような主観映像にして観客を楽しませるとか、方法としては他に色々あるんですよね. でもこの監督はそこまでの知識がないのか、それとも手っ取り早く小銭を稼ぎたいのか分かりませんが、全てにおいて中途半端な演出をしてくれているため、実映像の信憑性を損なわせているだけでなく、ご自身がラストで語っていた「信じるか信じないかはあなた次第」というセリフの存在価値も損なってしまっているんですよね. まぁ実映像でなければあそこまで映像が何度も乱れたり、古代シュメール語を使ったりするのは、よほどの気力がないとあんなフェイク映像は作れないと思いますし、そこまで手の込んだことをするならこの映画ももっと丁寧に作っているはずでしょうけど、何か全てにおいて中途半端でしたね. ですからなぜか不思議と久しぶりに矢追純一先生の特番が見たくなりましたよ. あれも胡散臭いんですけど、妙な本気でこれ信じてますねん! ってところが好きなんですよね. 深夜らじお@の映画館 が好きなUFOは明太子味でした. 鉄道甲子園」で車掌気分を GWに関西6社