米提供の汚染地図「避難に生かさず反省」

東京電力福島第一原発事故の直後、米国から提供された実測に基づく汚染地図を政府が放置していた問題で、避難計画づくりを担う経済産業省原子力安全・保安院山本哲也首席統括安全審査官が18日に記者会見し、「住民避難に生かさなかったことは誠に遺憾で、反省している」と謝罪した. 経産相保安院の幹部職員にもデータの存在は伝わっていなかった可能性が高いとしている. 山本氏によると、汚染地図は、保安院に設けられた緊急時対応センターで放射線への防護対策などに当たる「放射線班」に届いたが、同センターで住民避難を担う「住民安全班」には伝わらず、共有されていなかった. 放射線班は主に文部科学省職員で構成され、汚染地図をどう扱ったかは今も不明だという. 山本氏は、昨年3月18日と20日に加え、23日にも測定結果や汚染地図が外務省を通して電子メールで届いていたことも明らかにした. 一方、放射線測定を担う文科省科学技術・学術政策局の渡辺格次長は「必要なら保安院が公表すると思っていた. 文科省の不手際はなかった」と記者団に説明した. (砂押博雄).