ゆれる』ゆれる』

前々から評判のいい映画、そして巧い映画だと聞いていましたので見てみましたが、確かに巧い映画でした. でも私はこの映画を好きにはなれませんでした. 何というか、これは映画として肝心なところがしっくりこなかったのです. まずこの映画は先程も述べたようにすごく巧い映画です. 稔と智恵子が会話するのを猛がガラス越しに見ているシーンや猛が船盛りにある魚の目を凝視するシーンなど、沈黙を多用する巧さは観客により多くのものを想像させる素晴らしき演出です. 稔と猛がどのような兄弟関係にあるのか、智恵子がこの兄弟をどう思っているのか、様々な人間関係や人々の想いが言葉ではなく沈黙で表現しようとしているこの監督の手腕には本当に驚きました. 加えてこの監督さんは女性監督なのに、描いているのは男兄弟というのもすごいと思います. 私には同性の兄弟がいないのでよく分からない部分も多々あるのですが、同性の兄弟姉妹を持つ友人の話を聞いていると、同性の兄弟姉妹っていうのはとても身近な愛すべき存在であり、そして一番の憎むべきライバルでもあるみたいですね. 確かに古今東西様々な映画を見ていると兄弟姉妹で一人の異性を奪い合う作品も多く、同性の兄弟が一番のライバルであるという言葉はよく分かります. 近すぎる関係だからこそ愛情も嫉妬も深いものだということもよく分かります. ストーリーに関してはちょっと切なく淋しいですが、主題歌の「うちに帰ろう」が心に染み入るほど素晴らしいものだと思います. でも前半でわざと抜いた智恵子が吊橋から落ちるシーン、つまり事件の真相部分をあんな出し方にするのはどうも好きにはなれませんでした. 情報流出件数、過去2番目の多さ 発見数カ あの裁判で重要なのはあの時吊橋のうえで何が起こっていたのかということ. そして稔の話が真実なのかということ. UGG レUGG新作ディースクラシックショートブーツ 花 『HERO-英雄-』 のように嘘の過去を並べた最後に真実を見せる構造ならまだしも、兄と弟という関係を父親と叔父の関係で見せながら対比するなど巧い演出をしているにも関わらず、稔の話と猛の話のどちらが真実なのかを映像で比べるなどをしないがためにどうも物足りなさが残ってしまったのです. おそらくこう感じたのもこの監督の演出が巧いがために、肝の部分に過剰な期待をしてしまったがための弊害だったのかも知れませんが、私には少し物足りなさが確実に残ってしまいましたね. でもラストで見せる兄と弟の対照的な表情はすごく印象的でした. あんな淋しいラストはそうはないと思います. 深夜らじお@の映画館 は高所恐怖症なので基本的に吊橋は嫌いですが、吊橋理論は好きです.